レジストレーションおよびドシエ管理は、多くの製品に影響を与える製造場所の変更など、運用を変更することで影響を受ける可能性のあるレジストレーション項目を特定することによって、グローバルな操作変更の潜在的な影響を評価する機能を提供します。特定のフィールド値を定義して、変更によって影響を受ける可能性のある既存のレジストレーション項目を特定し、影響を受けるレコードをコピーして、変更イベントを反映した新しいレコードを生成することができます。これにより、新しいレジストレーション項目に対してローカルインパクトアセスメントを実施することができます。

管理者の設定に応じて、オブジェクト、フィールドおよびセクションのラベルが本文で説明されたラベルとは異なる表示となる場合があります。

グローバル操作変更について

グローバル操作変更は、操作変更の結果として変更される値をキャプチャします。グローバル操作変更には、2 つの種類があります:

新しいイベントレコードの作成時にグローバル操作変更チェックボックスをオンにすると、Vault は自動的にイベントレコードのグローバル操作変更セクションに 2つのグローバル操作変更を各タイプに1つずつ追加します。既存のイベントを変更する場合、2 つのグローバル操作変更レコードを手動でイベントに追加する必要があります。1 つの操作変更イベントから影響を受けるグローバル操作変更フィールド値を、最大 5 つまで指定できます。

イベントに対してグローバルインパクトアセスメントの実行アクションを実行すると、そのイベントグローバル操作変更に対して入力した「変更元」の値のいずれかを含む既存のすべてのレジストレーション項目が、Vault で操作変更の影響を受ける可能性があるものとして識別されます。識別されると、影響を受ける可能性のあるレコードをリストからフィルタリングして指定し、運用の変更を反映する「変更先」の値を持つ新しいレジストレーション項目を生成することができます。

使用例

製造場所を中国から台湾に移行することによる潜在的な影響を分析する必要があります。これを行うには、グローバル操作変更チェックボックスをオンにした状態で新しいイベントを作成します。新しいイベントを保存すると、Vault は自動的に 2 つのグローバル操作変更イベントに追加します (各タイプの 1 つずつ)。グローバル操作変更の変更元タイプのMade In フィールドに「中国」、変更先タイプに「台湾」と入力します。このイベントに対してグローバルインパクトアセスメントの実行アクションを実行すると、Vault は製造場所の移行の影響を受ける可能性があるものとして、Made Inの値が「中国」の既存のすべてのレジストレーション項目を識別します。レジストレーション項目のリストを確認・フィルタリングして、新しいレジストレーション項目を生成する際のコピー元となるレジストレーション項目を指定します。

レジストレーション項目の作成ボタンをクリックして操作を完了すると、Vault はフィルタされたリストに基づいて新しいレジストレーション項目を作成します。また、すべての新規レコードの Made In フィールドには「台湾」が入力されます。新規レコードのその他のフィールドには、管理者がコピーしないように設定したフィールドを除いて、元のレコードと同じ値が設定されます。その後、新しい目的に使用できる既存のレジストレーションを特定するために、新しいレジストレーション項目に対してローカルインパクトアセスメントを実施することができます。

グローバル変更インパクトアセスメントの実施

レジストレーション項目レコードダイアログレジストレーション項目の作成ボタンをクリックしてグローバルインパクトアセスメントの実行アクションを完了すると、コピーされたレコードから運用の変更を反映するイベントに指定した「変更先」値を持つ新しいレジストレーション項目が生成されます。管理者の設定によっては、生成されるレコードの一部のフィールドが空白になることがあります。コピー元を追跡できるように、新規レコードは、アクションを実行した元のイベントに自動的に関連付けられるとともに、新規レコードのグローバルインパクトアセスメントのソースレコードフィールドにはコピー元のレコードの名前が入力されます。

グローバル変更インパクトアセスメントの実施方法

グローバル変更インパクトアセスメントの開始と、既存のレコードからコピーした新しいレジストレーション項目を作成するには:

  1. レジストレーション > イベントへ移動します。
  2. 作成をクリックして、ibento を新規作成するか、一覧からイベントをクリックして既存のレコードを編集します。
  3. グローバル操作変更チェックボックスをオンにします。
    • 新規イベントを作成する場合: イベントレコードのグローバル操作変更セクションに、変更元タイプと変更先タイプの 2 つのグローバル操作変更が自動的に追加されます。
    • 既存のイベントを編集する場合: グローバル操作変更セクションに移動し、作成をクリックして、グローバル操作変更に、変更元タイプと変更先タイプの 2 つのグローバル操作変更を追加します。
  4. 該当するすべての詳細を入力したら、保存をクリックします。
  5. イベントグローバル操作変更セクションに移動して、操作変更の結果として変更するフィールド値を指定します。表示権限のあるフィールドを含めるように、表示される列をカスタマイズすることができます。このイベントで変更するフィールドを、最大 5 つまで入力します:
    • グローバル操作変更変更元タイプのフィールドをクリックして、操作変更の結果として変更する元の「変更元」値を入力します。
    • グローバル操作変更変更先タイプについては、フィールドをクリックして、操作変更を反映する更新された「変更先」値を入力します。
  6. すべてのアクションメニューから、グローバルインパクトアセスメントの実行を選択します。
  7. 検索: レジストレーション項目レコードの選択ダイアログで、影響を受ける可能性のあるレジストレーション項目のリストに、イベントに入力した「変更元」値が 1 つ以上含まれていることを確認します。このリストには、表示権限があるレコードのみが表示されます。また、アクションの実行後に作成または変更されたレコードは条件に一致しても表示されません。
  8. 任意: 最大5 つのフィルタを適用して、コピーする影響を受けるレジストレーション項目のリストを制限します。
  9. レジストレーション項目の作成をクリックして、フィルタリングされたリストを基にした新しいレジストレーション項目を作成します。

検索: レジストレーション項目レコードの選択ダイアログに表示されるリストと完全に一致しない場合がありますが、レジストレーション項目の作成ボタンをクリックした時点で存在するレジストレーション項目がコピーされます。たとえば、グローバルインパクトアセスメントの実行アクションを実行してからレジストレーション項目の作成ボタンをクリックするまでの間に、別のユーザが条件に適合する新しいレジストレーション項目を作成した場合、検索: レジストレーション項目レコードの選択ダイアログにそのレコードは表示されませんが、条件に適合するレコードが Vault によってコピーされます。

Vault は重複レコードを作成しません。イベントおよびグローバルインパクトアセスメントのソースレコードフィールドのレジストレーション項目が既に存在する場合、Vault は同じイベントおよびグローバルインパクトアセスメントのソースレコードフィールドの別のレジストレーション項目を生成しません。

システムメッセージ

Vault でレジストレーション項目の生成が終了すると、メールと Vault システムメッセージにより、作成されたレコードの数やエラーが発生したかどうかが通知されます。アクション完了の通知を受信したら、イベントレジストレーション項目セクションに移動して、新しいレジストレーション項目を確認できます。

制限

グローバルインパクトアセスメントには、次の制限が適用されます:

  • グローバルインパクトアセスメントの実行アクションの実行は、最大 500 万のレジストレーション項目を非同期にコピーし、最大 24 時間かかる場合があります。
  • バージョン固有のドキュメント参照フィールドのレジストレーション項目フィールド値はコピーされません。

ローカルインパクトアセスメントの実施

操作変更のレジストレーション項目を生成した後で新規レコードに対してローカルインパクトアセスメントを実施して、既存のレジストレーションを適用または修正できるかどうか評価することができます。